「初心者におすすめDAWって何?」というのは、これから音楽を始めたいみなさんがブチ当る最初の壁であり、経験者にとっても『初心者の方に質問された時になんて答えるのが正解なのか』について悩んでしまう、まさに永遠のテーマです。
今回はこのテーマについて、休日のネコの作編曲メンバー3人で語り合ってみようと思います。後編です。
Macユーザーに許された秘境:Logic
Logic、個人的にいいなと思うポイントはいくつかあるんだけど、まず「他のDAWに比べて値段が圧倒的に安い」っていうこと。最近円安とかいろんな影響で値上がりしたけれど、それでも3万円ちょっとだから、破格だよね。
機能も高品質でまとまってるし、視認性とか操作性についていうなら、Garagebandとほぼ共通しているから、無料のGaragebandである程度遊んでから移ってしまえばなんの問題もなく移れる。
Logic、付属音源のクオリティがめちゃくちゃ高いよね。それこそ外部音源買わなくていいくらい。あと、一回買い切りでアップデートにお金がかからないのがヤバい。他のソフトはだいたい新バージョンが出るとお金かかっちゃうもんね。
やばいよね。Logicで一番いいなって思うポイントがそこで、音源もパワフルだし、ギターとかの音源もしっかり打ち込めばソロとか、結構表現の幅が広いんだよね。
意外と、ミックス・マスタリングのプラグインも優秀なんだよね。
UIも最強だし、あとはアンプシミュレーターも優秀よね。Flex機能でMelodyne的なピッチ補正もできるし、一通りなんでもできるよね。
あと個人的にヤバいなって思うのがDrummer機能。これを使うと、仮想ドラマーを召喚して勝手にドラムパート作ってくれるんだよね。
初心者にとってドラムの打ち込みって結構難しいものだと思っていて。
そうなんだ(ドラマー並感)
そうなんです(笑)まあもちろんわからない楽器の打ち込みは全部難しいと思うんだけど。
たしかにそうねえ…ドラムの打ち込みの難しさって「人間らしさが出ない」っていうところもあると思うんだけれど、Logicならヒューマナイズで人間らしさを出すこともできるし、他の楽器の打ち込みもかなり便利そうだよね。
どっちかっていうと打ち込みに強いDAWなのかね?
オーディオに強い、ってイメージは確かにないかも…?
どうなんだろう。でもなんか、使ってて「何かに特化してる」というより「一通り卒なくなんでもこなせます」って感じな気がするなあ。ヒューマナイズも多少クセがあるし、Flexもクセはあるし、そういうのが気になるレベルに自分がなった時にMelodyneなり、外部音源なり買うし、みたいな。中級者くらいまでの面倒は単体でみれますよって感じする。
あとLogicはUIが最強ですね。Macだから洗練されてる。
最強だね…超羨ましいわ……Busの感じとか。あの洗練されたデザインは他のDAWにないもんね。
…そしてLogicの一番ダメなポイントはAppleのソフトであるってところだと思うんですよ。DAW始めるか〜っていう初心者の人で、既にMacを持っている人にとってはハードルはめちゃくちゃ低いんだけど、Windowsユーザーにとっては、Macを買わなければならないという時点で選択肢に入らない。
みんなだいたいWindowsだもんなあ。個人的には、プラグインの検索機能がないのも残念ポイントかな。Wavesとか、ああいういろんなのがたくさん入ってるプラグインを買った時に、探しにくいんだよね。お気に入り機能みたいなのはあるけど、それを使うと「ちょっとこのプラグイン使ってみよ!」みたいな冒険をしなくなっちゃう。
まあそれはそう。その点Studio Oneはめちゃくちゃ羨ましいなって思うわぁ。
あとね、MIDIの打ち込みがめちゃくちゃムカつく。前選んだやつ反映されちゃうじゃん。
あれはほんと受け付けないわ……Apple!って感じはするけどね。「やっておきましたよ!」みたいな。Cubaseはその点無骨でいいんですよ。
たまに余計なことやるからねAppleのソフト。それこそPagesとWordの違いみたいな(笑)
FL Studio とか Ableton Liveはどう?
ちなみに、みなれんは多分このメンバーの中で一番多くの種類のDAWを触ったことあると思うんだけど、FL StudioとかAbelton Liveは使った経験ある?
あるっちゃある。けど、曲を完成させるまでには至ってないかなぁ。
あー、やっぱそうだよね。
FL StudioとかAbelton Liveの使用感って、EDMとかの、ダンス系の電子音楽の発想じゃない。「ループを並べていく」っていう。ポップスの場合って「横に流れていくものを編集する」って感覚が強いと思ってて、そういう意味であの手の《EDM特化》を謳ってるソフトは合わないんだよね。
ジャンル違いが故の操作感の違いというか、そういうのあるよね。
Abelton Liveとか、まともにMIDIを打ち込む準備すらできなかったんだよね。UIがあまりにも違くて。
トラックの情報が右に出てきたり、全体的に特殊だよね。付属のエフェクトは良いんだけどね。どうやって使うんだろうね。
FL Studioとか、Kickを打ちこもうと弄ってて「?」ってなった記憶ある。どうやってMIDIのコンテナに入れるの?みたいな。
違う世界の人の特殊技能って感じがするよね。
うん。正直困惑する。慣れたら他のものさわれなくなる系の感じだよね。
あれで慣れちゃうとこっちの…メジャーなやつは使いづらくなりそうだよね。
あとまあ、何よりも「別にEDM特化のDAWじゃなくてもEDMは作れる」っていうポイントがあって。
わかる。そうなるとわざわざ特化させてっていう必要がなくなっちゃうよね。
結論:好きなものを使っていい。モチベを大事に。
さて、いろいろ話してきましたが……ぶっちゃけさ「初心者におすすめのDAWって何?」って訊かれたら「なんでもいい。好きなものを使え」ってなるよね。
その上で、あえて僕らの使ってるDAWで比べるなら、
Cubase:シェアが高くてTipsを見つけやすくて、ユーザー同士交流しやすい。
Studio One:後発組で、他のDAWより一歩進んだ操作性をもっている。
Logic:Appleの森に迷い込んだ人の境地、卒なくなんでもこなす。
って感じだと思うんですよ。
Appleの森(笑)
Appleの森(笑)
それこそ、もし目の前にいる人に「おすすめDAWなんですか?」って言われたら、確実に自分が使ってるDAW勧めるじゃん?
おすすめだから使ってんだよ!って話になるもんね。
自分で使ってないからこそ今日は話題にでなかったけど、他にもCakewalkとか、Digital Performerとかあるもんね。
Cakewalkとか、無料で使えて有料級の内容があるって聞くから、機能的にはめちゃくちゃいいはず。
メジャーどころのDAWであれば、DAWが変わったからと言って曲作りができないとか、根本的に曲の作り方が変わるってことはまあないはずなんですよ。FL StudioとかAbelton Liveを除けば。
ショートカットが変わったりするから、その辺は慣れなきゃいけないけどね。それこそCubaseの時も普通に曲作ってたし。
んで、結論「なんでも好きなの買えよ」みたいになっちゃう。
初心者さんが一番困る答えじゃん(笑)
ただまあほんとに『一回使ってみてください』ってのはある。試用版でもいいから。一旦使ってみて、カッコいいなってものを使うのが一番いい。
それこそ、最初っから「俺はEDM一筋だぜ!」ってタイプだと、いきなりFL Studioとか行ってもいいんだよね。言語の壁とかにはぶつかるかもしれないけど…
FL StudioとかAbelton Liveは、EDM特化してない人たちからしたら「ムズイ」「知らない」「触ったことあるがしかし」って感じだからね。
それぞれ一長一短あるし、本人に何が合うかわからないからこそ、下手に「これがおすすめ!!」とか言えないんだよね。
で、迷っちゃうなら、自分の好きなアーティストがつかってる、とか、憧れの人が使ってる、とかでもいいよね。初心者向けギターの話とかにも共通する話だけど。
モチベーションがかなり上がるもんね。ボカロPみんなボカキュー使ってた。
ボカロPみんなCubaseだったからなあ。それでCubase使ってたし。
というわけだから、みなさん。人の意見を参考にしつつ、好きなものを買いましょう!!!!!!!
やべー記事だなぁ…